MTG デッキ構築 クリーチャー考察 その2
ビートダウンクリーチャーの性能について。
この記事の内容も参照のこと。
デッキタイプごとのクリーチャー
ビートダウンクリーチャーを、「戦闘で相手プレイヤーにダメージを与えることを
主目的として利用されるクリーチャー」と定義する。
デッキタイプによって求めるビートダウンクリーチャーの質は異なる。
- ビートダウンデッキ
1〜3マナのクロック形成能力が高いものが採用される。
デッキ構成によっては4マナ域を含むことがあるが、5マナ以上はまず無い。
- コントロールデッキ
クリーチャーの数を絞るため、回避能力と除去耐性を優先する。
加えてパワー4以上のものが採用基準となり、この手のクリーチャーをフィニッシャーと呼ぶ。
「パワー4以上」の理由はライフ20を削るのに必要なターン数と、マナコストとの兼ね合い。
条件を満たすクリーチャーは必然的に5〜7マナ域から選出することになる。
4マナ以下では大抵デメリットが厳しく、8マナ以上では重すぎる。
- クロックパーミッション
「一度形成したクロックを守る」という理念から除去耐性を優先する。
戦闘での死亡を避けるために回避能力も考慮する場合が多い。
純コントロールとの違いは、それ以上に「序盤からのクロック形成」を重視する点。
そのため2〜3マナで戦場に出るものが採用される。
- コンボデッキ
スニークアタックやリアニメイトなど、コンボ要素の強いデッキで採用されるクリーチャーは扱わない。
それらについてはコンボパーツと見なし、システムクリーチャーの一種として別途考察する。
以下はマナコスト別に見たビートダウンクリーチャーの評価。Aランク以上で実用。
その他の能力によってランクが変動するので、あくまで基準ラインとして。
特に《カヴーの捕食者/Kavu Predator》のようなグロウ能力持ちはパワーの参照が難しい。
テンポアドバンテージ、ボードアドバンテージを殺ぐようなデメリットを持つ場合は採用しない。
逆にそれらのアドバンテージに関係の無いデメリット(ライフ損失など)ならば無視する。
これも度合いによっては例外がありえる。
多色であることもデメリットだが、2色ならばほとんど無視して考える。
3色の場合1ランク下がる。4色以上は基本的に採用しない。
1マナ
ビートダウン向けでは《密林の猿人/Kird Ape》、《野生のナカティル/Wild Nacatl》。
クロックパーミッション向けでは《敏捷なマングース/Nimble Mongoose》などが代表的。
序盤のマナは重要なので、マナを払わなければ回避能力が得られないような場合はランクが落ちる。
- Sランク
- パワー3以上
- パワー2+回避能力
- Aランク
- パワー2
- Bランク
- パワー1+回避能力
- パワー1
2マナ
優秀なクリーチャーの激戦区。筆頭は《タルモゴイフ/Tarmogoyf》。
純ビートダウンデッキの観点では1マナではパワーが不足し、3マナでは重さが気になることから、
いかに2マナ域の優良クリーチャーを揃えられるかが一つの鍵となる。
クロックパーミッションでは《水晶スリヴァー/Crystalline Sliver》など。
- Sランク
- P/T:4/2以上
- P/T:3/2以上+回避能力
- Aランク
- P/T:3/2以上
- P/T:2/2以上+回避能力
- Bランク
- P/T:3/1以上+回避能力
- P/T:2/2以上
3マナ
《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft》が凄まじいクロックを形成する。
他には《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》、《エーテリウムの達人/Master of Etherium》など。
《サイカトグ/Psychatog》は動きがコンボデッキに近いので、単純には評価できない。
- Sランク
- P/T:5/3以上
- P/T:4/3以上+回避能力
- Aランク
- P/T:4/3以上
- P/T:3/3以上+回避能力
- Bランク
- P/T:4/2以上
- P/T:3/3以上+除去耐性
- P/T:3/2以上+回避能力
4マナ
ビートダウンデッキやクロックパーミッションとしては重さが気になるが、それ以上の利点があれば採用される。
単純なクロック形成能力だけでなく、付随するボードコントロール能力を問われることが多いだろう。
除去耐性を持つ場合もサイズ次第では対処が難しいため有効。
《最後のトロール、スラーン/Thrun, the Last Troll》は群を抜いて強力。
- Aランク
- P/T:5/4以上+ボードコントロール能力
- P/T:5/4以上+除去耐性
5マナ
このマナ域以降はフィニッシャーが求められる。《永遠のドラゴン/Eternal Dragon》など。
ただし、対ビートダウンデッキでの速度を優先して、除去耐性が欠けていても採用される場合がある。
《悪斬の天使/Baneslayer Angel》がその代表例。
かつては《変異種/Morphling》が最強のフィニッシャーとして君臨していた。